準備体操、基本稽古の一教運動、四方斬り、単独動作の転換の後、基本の所作について見直し。具体的には、立つ、座る、歩く、の3動作について、細かい部分まで意識を巡らせる。
立つ動作については、武道的な立ち方を改めて見直す。
具体的には、下半身については、左右の脚は拳1~2個分の間隔とし、膝を緩めた状態で親指と人差し指の間に重心を置くことを意識する。
上半身は骨盤を前傾させた姿勢を作り、その状態でしっかりと胸を張り、項が襟に密着するよう意識する。
慣れないと筋肉を強張らせて姿勢を作ることになるが、日々の生活の中でも意識することで自然体の中で姿勢を作れるよう意識したい。
続いて、座る動作。
立ち姿勢から体軸を正中線上に保ったまま静かに腰を落とし、袴捌きの後に膝をついて正座の姿勢を取る。正座の姿勢は、立姿勢と同様に左右の脚は拳1~2個分の間隔とする。骨盤を前傾させ、胸を張るのも同様。腕は肩から体側に沿って自然に下げ、肘を体側につけたまま前腕を膝の方向に返し、掌を腿の上に自然に載せる。指を広げているとだらしなく見えるので、指先をそろえることに注意する。
座っている間、完全に腰を下ろして休むのではなく、脛全体で畳を押し、腿と脹脛の間に紙を3枚挟める程度に隙間を設ける。この緊張を保つことで座技を行う際に澱みなく体を動かすことを意識する。
歩く動作については、上述の立姿勢を維持したまま歩むことを意識。
ここでのポイントは、前側の足は摺り足で前に進め、後ろ足でしっかり体をさせると同時に腰を前に送り出す推進力を生みだすことにある。
簡単にできる所作ではないが、日々の生活でも実践できることであり、心がけて頂く。
続いては両手取り天地投げを稽古。
隅落としと呼吸投げを両方効かせることに意識を向ける。
隅落としは腕を半径とした円周上を手刀で払っていくことを意識する。
呼吸投げはともすると受けと取りの力がぶつかる方向となってしまうので、腰、肩(鎖骨の付け根を起点として)を用いて∞の動きで効かせることを意識する。
後半は、昇段審査に向けた呼吸投げをおさらい。
両手取り、諸手取り、片手取り、それぞれについて確認を行っていく。
全体的な傾向として、居着いたところから技が始まり、受けと取りの力がぶつかる方向となる場面が見られた。技の始まりを手首を取られたところではなく、相対して動き始めるところに意識を変えるよう助言する。
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