春風会を離れる指導者による最後の稽古を実施。
有段者および初段受験予定者が参加した稽古であったので、武器取りおよび組太刀について稽古を行う。
武器取りは入り身からの太刀取りについて2種類実施。
いずれの技についても基本的な事項について取り、受け双方をチェックしていく。
まず、受けは正しい間合いで取りを切っていくことを改めて指導する。太刀が届かない間合いでは意味がなくなるため、太刀の物打ちが取りの面に当たる位置に切り込むよう意識付ける。また、取りについては、太刀が当たらない位置に体捌きで躱していくことをポイントとして意識付け。左肩が前方に引かれるようにして動き、ここに揃う形で一重身となるよう稽古する。また、捌きを受けに見切られると技として成立しなくなるため、身体のバネで“ピョン”と跳ねるように入り身するのではなく、重心移動で自然に入り身することを心がける。
入り身した後の技は、自然体であることに注目して行う。武器を奪おうとする、取りの考える技に嵌め込もうとすると、取りが受けの太刀を取る手に力が入り、技に引っかかりが生じやすい。太刀に手を添える程度の力で技をかけ始め、太刀の刃もしくは剣先の方向に受けを導くように技をかけていく。
組太刀は一~五について各人と立ち会い指導を行う。
総論として、今後は以下の点について稽古を行うようアドバイスした。
①剣は相手に正しく当たる間合いで切っていく(総じて遠い間合いになりやすい)
②各技の定義通りの場所に正しく剣を運ぶ
③技の各所作は予備動作なしで正しく剣を運ぶ(反動や溜を作った刀法になりやすい)
④相手を切るのであって、太刀同士のぶつけ合いとならないように注意
(どうしても太刀を薙ぎ払うような捌きに入りやすい)
⑤取りと受けの攻防について理合をしっかり理解する(特に五)
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